2009年 9月号

 

 一、ウェブの積極利用で利益を



 いつもお世話になりありがとうございます。

 この度の長い連休、皆様どのように過ごされましたか?夏の疲れはとれましたか?残暑が終わり、いよいよ稔の秋を迎えます。リミットも日々活動してきたことが、一つ一つ実を結び始めました。いつまでも皆様のお役に立てる会社であり続けることが大事だと、最近強く感じております。

 お盆明けからサービスしておりますWEBによる販売は、日を追うごとに件数が増加し、六対四でFAX注文よりWEB注文が多くなりました。WEB注文では、三%値引きになり、お客様にもメリットがあり、リミットにも受注作業が簡素になり合理化でコストでのメリットがでています。双方に利益のあるサービスですので、現在FAX注文を続けておられるお客様も是非ご活用頂きたいと思っております。また、お客様から要望の多かったWEBでの簡単な見積もり計算機も、現在システム部門が作成してくれています。今しばらくお待ちください。

 リミットのホームページでは、「着てみて下さいました」シリーズをアップしています。これは、リミットの製品をご愛顧いただいているエンドユーザーを取材するものです。大変好評で、販売店よりエンドユーザー訪問時に提案書として渡したいので印刷して欲しいとご依頼が多くなりました。このアイデアは、販売店の皆様のお役に立っておりますし、逆にリミットの新商品開発にも活かせる情報源です。

 今日の社会は、何事にもフラットになっています。従来の縦の繋がりの販売網や組織論では、この時代に対応していけません。縦横無尽につながりの輪を広げ、豊富な知識、情報そして価値観を共有することがこれからの二十一世紀型社会ではないでしょうか。そのグループ作りにWEBは欠かせません。そして誰もが使えるWEBシステム作りが、リミットの大事な役目と考えております。



 二、中国で新しい時代の種まき



 連休前に専務を伴って中国の福州に行ってきました。中国の総経理より、今後の事業展開のコンセプトに適した工場建物が見つかったということでした。総経理は数十箇所の工場を見て候補を絞ったらしく、私も専務も納得の工場建物でした。交通の便や周りの環境、また仕事効率の面からも最高の工場でした。その建物は人気もあり、隣の半導体製造工場やその他にも数件から三階建て全部を借りたいと引く手あまたの物件でした。発展を続ける中国では縫製工場は、なかなか立地的にも良い候補地が少なくなっています。どうしても電子産業など最先端分野が優遇されるのです。その意味で大変良い場所を見つけてくれたと思います。

 借りるのは一階のみです。総経理が青島工場の教訓を活かし、「小さく産んで大きく育てる」という方針にも理解をしてくれ、一階だけを賃貸する交渉をしてくれました。工業区の責任者も「狭すぎるのでは?」と心配してくれたぐらいです。工業区側から三階建てすべてを借りるよう依頼があったのですが、総経理が説得して了解を得ました。

 人員もこれからの仕事量にあわせて、育てながら少しずつ増員していきます。現在の中国の状況からは考えられない進め方だと思いますが、総経理が日本の状況をよく理解し、協力してくれる姿に心から感謝いたしました。この地でこれから少しずつ仕事を拡大して行き、協力してくれた人たちにご恩を返さなければなりません。その気持ちを専務ともども決意した訪中でした。来年稼動を目指し、まだまだやらなければならないことがあります。将来を見据え、しっかり畑を耕し、種をまいていこうと思います。



 三、ユニフォームのパラダイム・シフトに確信



 福州訪問は前回から二ヶ月足らずのことでしたが、この短期間にもたくさんの建物や道路や人が姿を変えていました。ホテルの廊下では、すれ違う清掃工員さんからも先に挨拶されました。これも以前にはなかった変化です。

 今回の訪中では、大変重要なことに確信をもちました。現在の日本の状況だから余計感じるのかもしれませんが、物質文化の成長の限界を感じました。日本は現在の混沌とした状況を悲観するのではなく、精神文化と物質文化との調和を図り、新たな時代を切り開くべきだと思います。今までの日本は、物質文化の成長を最も価値あるものとしたために、短期の結果だけを求める「出たとこ勝負」の生活になっていたと思います。国民全体で世代を超えた長期の計画性をなくし、環境悪化や教育崩壊などさまざまな面でその弊害が現われました。他国の人々との真の共生、協調も喪失してきたのです。

 既にその反省から、多少不便でも精神的に贅沢なライフスタイルを求める潮流が生まれています。「着てみて下さいました」シリーズで取材に同行してもそれを強く感じます。特に一九八十年代以降に生まれたシンプル族にその変化を強く感じます。

 これから日本を支えるシンプル族がつくる社会とは一体どのような社会なのでしょうか?少子高齢化、環境問題、コミュニティの再生など多くの問題を抱え、これらを解決しながら達成されるべき豊かさとは、物質的なものではなく、人と人の関係性の構築によって実現される精神的な豊かさだと思います。

 そんなライフスタイルの質を高める服とは?

それは、アパレルがアパレルの論理で服を作って浪費させる時代の終わりから始まるのです。言い換えると、まだ使えるものを早いサイクルで買い換えさせることで成り立つシステムの終焉です。長く使えて、飽きの来ないシンプルな商品をつくり、消費者が最低限の買い換えをするだけで済ませることができる。このような経営をしなければならないと思います。それはまさに普遍のユニフォームの創造ではないかと感じました。ユニフォーム生産のパラダイム・シフトです。

 リミットがやってきたこと、これからやろうとすることは間違いないと確信し、勇気と自信を与えてくれた訪中でした。





  二〇〇九年九月二十五日

       笑顔着

       リミット株式会社

       代表取締役 有木宏治

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