2009年 3月号

 

 一、「逸脱」で発想の転換を



 いつもお世話になりありがとうございます。

 三月に入り春夏物が動き出す時期を迎えましたが、定番商品の大口受注が芳しい動きを見せてくれません。先日発表された景況判断指数では、全業種で景気の急速な冷え込みが明らかになりました。これは、統計を取り始めて以来、一度もなかったことだそうです。作業服を必要とされる製造業を中心に景況感の悪化が目立ちます。

 今年いっぱい、いや来年いっぱいこの状況が続いたと仮定した場合、それでも生き残るためにはどのような行動を今取るべきか。業界内では安物競争で体力勝負になりつつある、との声が聞こえてきます。ピンチをチャンスにどのように逆転させるか、という発想が必要なのはわかりますが、答えは、決して今までの延長線上にはないということもよく理解しております。

 既定路線からの「逸脱」の中に、未来があるのかもしれません。



 二、合理的なカタログ活用のために



 前回のリミット通信で、「お送りいたしましたリミットの新カタログで一部でも不要のものがありましたら、ご返送ください」とお願いをいたしました。すると元払いにて十五部もご返却くださったお客様もありました。お礼のお電話を差し上げたところ、カタログを大事にお使いくださっている様子が伝わってきました。本当にありがとうございました。カタログ作成をしているメーカーといたしましては、これほどありがたいカタログ活用の方法はない、と言う内容でした。

 一方、無差別にポスティングされるDMのように、無制限にカタログ請求されるお客様もあります。リミットは通信販売ですので、カタログ作成には並々ならぬ思いをこめて作成しております。まるで自分の子どもを育てるように愛情をこめて作成します。

 作成部数は定量ですから、これを最近の販売店売上や入金状況という客観的なデータに基づき公明正大に割り振ります。そのため、時々追加のご依頼を頂く場合もありますが、常識を超えた部数にはお断りをさせていただいております。これも事前の部数割の段階で信念を持って分けているからできることだと思っています。

 お客様のご要望に応えなければならないこと、応えるべきではないこと。判断が難しい場合もありますが、やはり確固とした信念をもって事に臨まなければと自分自身に言い聞かせています。



 三、安心の在庫管理を徹底



 最近、販売店の皆様から、リミットのホームページの在庫画面を見ながらお電話頂くケースが多くなっているそうです。ホームページの在庫画面で枚数を確認しておられるにもかかわらず、更に確認の電話で念押しされることが非常に多くなっているのです。これは、一般的に各アパレル会社のホームページにある在庫の状況と実際に存在する在庫の状況が異なり、在庫管理情報が大変不正確になっているということの証左になっているのでしょう。在庫バランスが崩れてきているとか、在庫のあるものと無いものの差が大きすぎるとか噂では聞きますが、本当にそのような状態になっているのでしょう。

 自慢ではありませんがリミットでは、ここ三十年間、一度も棚卸しをしたことがありません。それだけホームページの在庫画面の数量と実物在庫が一致しております。「一致するのが当たり前」ということを前提条件にして、システム開発と現場の運営に力を注いできました。ここまでくるには多くの難問を克服してきました。

 生産計画は専務一人が担当することによって、色・サイズを入れると九千種類に及ぶアイテムを百%管理、掌握できているのです。在庫バランスを崩さず、総在庫を前期比二十%圧縮させ、資金化できたのもこうした徹底した合理化追及の成果です。

 リミットの在庫画面数量は、リアルタイムで絶対正確ですので、再確認なしで、安心して発注してください。

 



  二〇〇九年三月二十五日

       笑顔着

       リミット株式会社

       代表取締役 有 木 宏 治

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