2009年 1月
一、未曾有の不況、メーカーの使命を発揮
いつもお世話になりありがとうございます。今年最初のリミット通信になりますが、今年もよろしくお願いいたします。
昨年後半から未曾有の世界同時不況がユニフォーム業界にも暗い影を落としています。貿易黒字は八十%減少して昨年度は二十六年ぶりの低水準になりました。今までいかに欧米向け輸出の外需企業が支えていたか改めて思い知らされました。世界中が景気後退でどんどん不良債権が増えています。しかも世界経済の先行きは五里霧中です。
リミットは、今月が決算です。利益は大幅増にはなりましたが、売上は昨年比二桁減になり、予想していた水準には到達しませんでした。売上が落ちる中、在庫を二十%圧縮し現金化できたことで、金融機関からの借入額も減りました。今期は期首より増産の予定です。しかしどこまで増産すればよいのか。状況を見ながらすぐに対応していくほかありません。
もっとも強みもあります。リミットは在庫バランスも崩れていませんし、在庫・仕掛在庫に無くても一枚から追い掛け生産の体制ができています。正確な納期で、少量でも安心してご注文していただけます。支払手形も数年前に無くしましたし、現金回収率も九十%を越えていますのでこの厳しい状況の中、販売店皆様の要望に最大限に応える体制はすでにできております。
厳しい状況から、注文の小口化・即納体制を切望される年となるでしょう。リミットならこういった商況に必ずお応えできます。コスト意識を徹底し、メーカーとしての使命を地道に遂行することが、混迷からの脱却だと考えています。。
二、営業に代わるバーチャル展示会が好評
リミットはここ数年、毎年一月、業界恒例の新作展示会を行ってきませんでした。理由は販売店のお客様にわざわざお越しいただくことは本意ではなかったからです。新作情報を発信するのであれば、こちらから皆様方のところに直接情報を発信すればよいと考えました。しかしリミットには営業マンがおりません。その方法をずっと試行錯誤してきました。DM、FAX、メールなど考えられる方法を模索してきましたが、どうしてもフェースtoフェースの対面説明に勝る方法が見つかりませんでした。
しかし今年は三備フェアに合わせて、リミットもインターネットによるバーチャル展示会を開催することができました。動画による新作展示会では、実際に商品開発した企画研究所の担当者自身が直接自分の言葉で語りかけています。細部までこだわって作った部分をズームアップや文字挿入など分かりやすく工夫を凝らし、余すところ無く皆様方にご説明しております。実際にテレビショッピングでご活躍されている司会者とのやり取りは、私も見ていて素人っぽく新鮮です。
今年の新作には昨今の労働環境を考慮して生まれた、意匠登録出願中の「あみポ」製品も登場しておりますので、ご興味のある方はリミットのバーチャル展示会をご覧下さい。これからのブロードバンド時代に先駆け、業界内で最初に動画展示会ができて本当によかったと思っています。販売店皆様からも好評で、ある若い社長様からは、「営業マンがユーザー訪問した際、持参したノートPCで直接ユーザーに見てもらえるので説明要らずだ」と褒めていただきました。
今後の予定は、ご要望の多かった携帯モバイルへのサービスを開発する予定です。今の時代、百貨店販売は低迷しておりますが、テレビ通販やインターネット販売はどんどん成長しております。昨年リニューアルした販売店ページとリンクする形で、リミットはこれからも年に一度の展示会にこだわらず、常に新作プロトタイプの製品を開発し、インターネット配信にてものづくりエンターテーメントを発信し続けます。。
三、厳しい状況、新たな挑戦
世界に目を向ければアメリカでオバマ新大統領が就任されましたが、株は一斉に下げてしまいました。新大統領のせいではないと思いますが、アメリカの抱える問題は膨大です。それはアメリカに限ったことではなく、世界各国あらゆるところに矛盾が存在し、世界各国が二十一世紀への新たな胎動をはじめた証拠だと思います。これは相対的に悪くなっていることなのでしょうか?日本にもこれから広く深く浸透してゆき、政府も大企業も中小企業も学校も、組織に関係なくあまねく急速に大きく変化してゆくことだと思います。
私の身の回りを見渡すと、リストラなど心を痛めることもありますが、それよりももっと多くの労わりや思いやりも見受けられます。倫理観、道徳観や家族観なども数年前より良くなっていることに気が付きます。夕方になると福山駅にたむろして、地ベタにそのまま座り込んで携帯をしていた高校生集団も見なくなりました。一人ひとりが振れ過ぎていたものに気づき始め、元に戻りつつあるように感じます。リミットも不易流行をしっかり見極め、将来のリミットへの夢を少しずつ実現ゆきたいと思います。
私自身も今年は、リミットでやりたいことがたくさんあります。しかし世界同時不況の最中、実行に移せるものは限られます。また妥協せざるを得ないこともたくさん出てくると思っています。しかし常に考え、チャンスを逃さないようにと自分に言い聞かせています。
二〇〇九年一月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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