2008年 10月
一、来期増産体制が整う
いつもお世話になりありがとうございます。
今年も後二ヶ月のみを残すこととなりましたが、ここ広島では日中はまだまだ夏日のような暑さが続いております。これでは不景気とあいまって秋冬物の出が鈍るのは自然の成り行きです。九月は昨年対比をクリアしましたが、十月は苦戦しております。来年に向けて次の戦略をどう具体的な実行に移していくか、毎日が変化とチャレンジの連続です。
今期は五月より生産調整に力を注いでまいりましたが、予測される経済不況を睨んで、下半期は更なる調整に現在取り組んでおります。世界的な金融危機の影響が世界の工場である中国経済にも影響し、GDPが一桁台に鈍化し、減速し始めました。特に下請工場の苦境は顕著で、夥しい数の下請工場が閉鎖しているようです。そのような状況下でリミットの青島工場では工賃補填を続けながら減産態勢で生産を続けています。喜んで着ていただける商品を企画してきたので、生産を縮小すれば必ず在庫が減少し資金化できると信じてこれを実行してきました。売り上げが低迷する中での在庫圧縮は不安が募りますが、ここにきてようやくゴールが見えてまいりました。
青島への工賃補填金額は二千百万になり、海外生産の大阪リミットはそれだけ利益が減りますが、七千五百万円の在庫が資金に変わります。これにより当初秋口に予定していた借入金も不要となり、借り入れ合計も昨年対比で減少させました。来期は期首より一気に増産に転じ、安定生産に戻る予定です。七千五百万円と二千百万円、皆様ならどちらを選択されますか?今は百年に一度といわれる混乱期です。経営安定のため、ありとあらゆる手段を講じ、次のステップを踏む土台固めの時と自身に言い聞かせ、毎日の情勢を静観しております。
二、不況をチャンスに、具体的行動へ
リミット作業服の秋冬状況は小口の追加受注が多く、新規の大きな物件は減少しています。これに対してリミット通販のリフィンは、十月に入り新規受注がにわかに動き出し、国内工場がフル稼働となり、うれしい悲鳴を上げています。
この不況下では、職種や企業の考え方にもよりますが、制服を資材コストと捉えているか、それとも業務強化サポートの必須アイテムと捉えているかで購入決定には大きな差が生じます。販売店の皆様、どうかリミットカタログは後者の考え方のユーザー様にだけ配ってください。それが将来、販売店の皆様やリミットを少しずつ成長発展させていただく基であると確信します。
リミット通販はこの不況下でも昨対累計売上を更新しております。来年は男子作業服メーカーも女子物の在庫はタイトになると思います。あらためてリミットは女子ワーキングに特化したメーカーであるということを再認識していただくため、カタログ、新商品開発に力を入れております。「お客様と共にブランドを育むところに不況なし」更なる飛躍を目指しております。
私はこの世界的な金融危機は短期間で回復するとは思えません。天地がひっくり返るようなことが起こるかもしれません。よって来期も引き続き非常事態宣言を継続しなければならないと思っています。
しかし逆から考えれば、リミット時代到来で大躍進の年になるかも知れないとも思っております。なぜなら一枚、一枚のご注文が主体で、多品種少量生産、ネット通販に力を注いでいるリミットは、この状況下で最大の力を発揮できる企業体質ではないかとあらためて納得しているからです。まだまだ商品開発コンセプト、企業理念から販売価格見本注文の送料無料などの販売サービス部分まで販売店の皆様に徹底訴求できていない部分もありますが、繰り返し、印刷物やネットで訴求をして、リミットの哲学を実感していただけたらと思っております。来月には最新鋭プリンタを購入し、エンドユーザーに向けてそのままご提案書に活用できる新商品情報の提供や、皆様が会社にいながらにして新商品を体感していただけるネット展示会の開催、携帯電話による商品検索など、次世代の通信販売の姿を模索しながら完成させていきたいと思っています。
三、ネットを通して販売店と共存共栄
最近新聞に、通信販売の主な媒体別の増減率グラフが載っていました。ネット通販の成長が著しく、携帯経由も増加しておりました。反対に原油高の影響を受けカタログ通販が減少しておりました。確かに最近、リミットのホームページ経由でエンドユーザーからの問い合わせやご注文が増えてまいりました。お客様サービスセンターでは、エンドユーザーからリミット製品のお問い合わせや引合いがあった場合、ユーザーのお住まいを確認し、お近くの販売店をご紹介させていただいております。先日もある販売店様から、ご紹介したユーザーと無事契約出来たとお礼のお電話をいただきました。ネットを通じた新しい提携のカタチではないかと考えております。
ともに厳しい時代を乗り越えるために共存共栄の行動をとりましょう。
二〇〇八年十月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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