2008年 8月
一、在庫圧縮後の中国生産とブランド戦略
いつもお世話になりありがとうございます。
お盆が過ぎここ福山では、朝晩は多少過ごしやすくはなりました。しかし日中はまだ厳しい暑さが続きうんざりさせられます。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
本年度上半期の結果が出ました。昨年対比で見ると商品売上は若干下落しましたが利益率が高い商品の販売が伸び、かつ経費圧縮で利益は大幅に増えました。九、十月の秋冬商戦を踏ん張れば、当初の予定通りに利益が残せると思います。生産調整により生産を減らしておりますので、シミュレーションどおりに在庫が資金化され、金融機関の借り入れ合計も減ってきております。来年の生産の立ち上がりの時期と数量計画を間違わなければスムーズに運営できると思います。
売上状況に対応した計画生産を立て、生産調整により在庫を資金化できるということは大変ありがたいことです。それには中国の縫製工場の協力がなければできません。八月二十二日から、「リフィン」の縫製研修のため、中国福建省工場より三名が訪日します。十日間の縫製研修ですが、国内工場が現在持っている技術レベルをはやく習得してもらい、日本への輸出は勿論中国国内販売へと期待は膨らみます。中国の市場動向や衣料の購買傾向など情報交換しながら、中国でのブランド構築に一歩、一歩努力していきたいと思います。
最近、中国の縫製工場とうまくかみ合わないアパレルが多いと聞きます。しかし互いの行き来は年に一、二回しかありませんが、リミットでは青島工場も福州工場も中国のスタッフは、日本の状況をよく理解してくれて生産調整に協力してくれます。はやく元の生産数量に増産すべく、来期のカタログ作成や新商品開発に全力を出しているところです。共存共栄で発展していけるよう、リミットも継続した企画開発に全力で邁進しております。これまで築いてきた関係を大切に育むことが、お互いの発展に必須条件だと最近特に感じております。
二、リスクを負える体制へ強化を
来期は適正在庫に減ったところで、ここ二年間の販売実績を考慮に入れ、全社の体制をもう一度組みなおす必要があると感じています。そこで、国内縫製のブランドは順調に販売を伸ばす一方でこれまで屋台骨を支えてきた定番ワーキングウェアの販売が低迷している状況を考慮し、縫製への新たな人材投入も見合わせることにしました。また現在の経済環境を考慮に入れると安易に人を増やすことはできません。それよりも現在の人材の能力を引き出しフルに活用することが先だと考えました。
私が入社した十五年前は、販売自体が好調で、繁忙期には他部門から多数応援に行かなければ出荷の業務がこなせませんでした。毎日、夕方になると当日仕上がりの製品を待って出荷するケースが所狭しと並べられ、プレスより順次上がってきた製品を伝票と見比べながら入れて梱包していました。気が付くと夜の九、十時ということが日常茶飯事でした。その当時と今を比較して最も変化したのはシステムです。大変高度になり業務も合理化されました。生産計画の精度も上がり当時のような綱渡りの危うさはありません。
ただ最近、満足のいく結果を求めず、どこかアンパイにリスクをさける傾向にあるのではないかと感じるようになりました。いつもイチかバチかといった経営には問題があると思いますが、時には高いリスクを承知で挑まなければならない問題もあると思います。そのリスクに挑戦できるよう、一度後退して陣を組みなおし再挑戦することが今は大事だと、何度も自分に言いきかせております。リスクヘッジがとれるシステムを目指したいと思っています。
三、小ロット受注と運賃問題
今年の出荷デリバリーでの感想は、受注がますます小口傾向になっているということです。追加受注しか動いていないのではないかと錯覚するほどロットが小さくなっています。企画開発も生産計画もこの小口注文を勘案しながら進めていかないと在庫に振り回されてしまいます。販売もこれだけ多品種になってくると商品交代の時、同じ傾向の商品が多く、どれをお奨めしたらよいか迷ってしまうと思います。これからはウエブとシステムを駆使し、過去の購買履歴から商品傾向を分析し、個々の得意先に対応した個別提案をすることが課題になってくるのではないかと考えています。そうすれば分厚いカタログの中から探さなくても、従来納めていただいているユーザーに対応した商品を簡単に検索していただけると思います。
さて、運賃についても皆様から多数のご意見を頂いております。しかし小口発送が多い特性上、現行の運賃値引き条件以上の値引きに未だ踏み切れずにいます。現在、一回の注文あたり五万円以上で運賃値引き、または、郵便振替で二十五万円以上、銀行振込で三十万円以上が金利と運賃値引きという条件になっております。現在この金額を下方修正した場合の運賃負担をシミュレーションしております。一方インターネット注文に限り、運賃負担の軽減を検討してはどうかといった意見も出ており、結論にはもうしばらく時間をいただきたいと思います。
二〇〇八年八月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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