2008年 5月号
一、小口受注が主流を歓迎
いつもお世話になり、ありがとうございます。
夏物の販売状況は、四月は微増したのですが、五月は逆に今のところ微減で推移しています。昨年に比べ稼動日数が一日少ないことが一因でもあるでしょう。ゴールデンウィーク明けは順調でしたが、その後小口が続いたかと思うと、数日前よりまた大口の引合いがきております。この一週間で追いつくことができるかどうかといった状況です。
今シーズンの受注は、小口の注文が主流で、受注件数自体は昨年に比べて増加し、大口物件数は減少しているのが特徴です。リミットが目指している業態は、多品種少量生産で、販売店の必要なときに、必要なものを通販で即納できる態勢です。販売店の皆様には在庫抱える必要がなく、一枚からの注文を基本として品種やロットにかかわりなく即納することが使命だと思っております。従って最近の状況は、リミットにとって歓迎すべき状況だと思っております。
もしも、新規のお客様で「発注数量が少ないし、度々で運賃負担をかけ申し訳ないのですが・・・」とか、「他のアパレル在庫があるので、これ以上在庫を持つことは・・・」と思われるなら、遠慮せずにお声をおかけください。リミットの特徴をうまく活用されている賢い販売店からは、少数別注対応も最近増えてきております。最近の原材料高騰により、あらゆるモノの価格が上がり社会問題になっていますが、一方では、価格は高くても良いものを、という消費者も確かに増加しております。新規での大口がなかなか増えない現状で、将来に続く商売をしていくには、お客様が商品の付加価値を実感され、喜んでいただける取引を続けるより方法はないのではないでしょうか。これから秋冬に向かって更なる価格上昇が予想されます。エンドユーザーが納得される高品質のモノづくりを確立していくことが、アパレル業界にとっての最重要課題であると思っております。
二、ブランド力向上の中で
ここ一ヶ月、四年前発表した新ブラックフォーマルの「リフィン」と備後絣を活かしたデザインの仕事服の「ビーバイシー」を販売するリミット通販の責任者が「最近、ブランドの指名買いが増え、わざわざ弊社まで足を伸ばしてポロシャツ一枚を買いに来られる方もおられます」と申すようになりました。「通販」にとってこれほどありがたい話はありません。
これとは逆に、「新規のお客様から今まで請けたこともないような大口引合いの話があるのですが、これを請けてしまうと国内工場が数ヶ月埋まってしまって、そのほかの多数の小口のお客様にご迷惑をかけることになりますが、どうしましょう」という話もありました。新ブランド誕生から四年、一歩、一歩地道に試行錯誤を繰り返してきました。先日地元テレビ局のニュース番組の「元気な会社にはワケがある」というコーナーで当社を取り上げていただきました。地元での知名度も上がり会社にも益々活気が漲る矢先の引合いです。ところがリミットの歴史は、生産能力の問題ではなく、どの様なお客様がリミットのお客様か、という根元的な発想の結果として、大口の需要をお断りしてきましたので、正直迷いました。そこで他のお客様にご迷惑のかからないことを大前提として、さらに通販としてすべての取引条件の公平さを遵守することを条件に受注を検討するよう指示しました。
三、メーカー、販売店、ユーザーの
欲求一致点を模索
今年四年目を迎えるリフィンは、来月パシフィコ横浜で行われる「フューネラルビジネスフェア2008」に出展いたします。このたびのテレビ番組で自分自身を眺めて、無謀な挑戦に自らをあきれています。投資資金もなく、あるセミナーで知った中小企業経営革新支援制度を活用するため資料を作り、金融機関のご支援を頂いて設備投資をし、人材を一から育て、ふたたび新市工場に魂を吹き込みました。その過程ではたくさんの人との悲喜こもごもがありました。おかげさまで四年間順調に売上を増やしております。このノウハウが今年新たに「ビーバイシー」の立ち上げを実現させました。
「今までユニフォームを着なかった人に、新しい仕事服を」をコンセプトにリミットブランドにはなかった斬新なデザインの服ができあがりました。しかし販売店の皆様からご意見を頂く中で、各種ブランドの位置づけを更に明確にする必要性も実感しました。「メーカーが売りたいモノ」と「販売店が売りたいモノ」と「エンドユーザーが着たいモノ」。これがマッチしたとき、ヒット商品が生まれるのだと思います。
リミット総合企画室では、まず消費者でもある自分が着たいものを創る、ということを大事にしております。そうすれば、エンドユーザーが着たいモノに必ずつながります。しかし販売店の売りたいモノという視点を今まで考慮したことはありませんでした。これは通販の負の部分だと感じます。
この点を反省し、最近、お客様サービスセンターからの問い合わせや情報発信に力を注いでいます。寄せられる販売店の皆様の声をもとに、再度それぞれのブランドコンセプトを明確にし、ターゲットユーザーに喜んでもらえる商品開発に専念し、冒頭述べたように、より高度化する品質要求に百パーセント応えられる生産体制目指して国内、海外工場の充実を実現したいと考えています。
二〇〇八年五月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 宏 治
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