2007年 8月号
一、深刻な自殺と過疎の人間関係
いつも大変お世話になりありがとうございます。
先日、ビックリするような記事が目にとまりました。
「人の命は地球よりも重い」今日もイラクで二百名が死んだ。月平均三千名。イラク人の命は軽い。日本人の命はどうか。実はイラク人以上に軽い。そんなこと信じられるか。日本でアルカイダの爆弾は破裂しない。日本には内乱はない。警察の逮捕率は世界一高いのに、なんで月三千人も死ぬのか?テロでもない、殺人でもない、事故でもない、なんと自殺だ。世界一金持ち国家日本、世界一識字率が高い日本、日本人の預金は世界の総預金高の六〇%、日本人の自殺率は先進国No.1。自殺の原因の八〇%は経済苦と病気、世界一金持ち日本人がなぜ経済苦?国民皆保険国でなぜ病気苦?いま世界最大の不思議な日本人。
先日、東京のマンションで親子四人の心中記事が出ていました。お母さんのおなかには子供がいました。生活ができないし、子供も産めないと書き残し心中しています。
現在の都会暮らしに隣近所の付き合いはありません。孤立した個の生活です。この都会で失業して収入がなくなった場合、このような事態になるのは不思議ではありません。昔はそんなに田舎でなくとも野菜作りから味噌、醤油、漬け物など全部家で作っていました。水は地下水で燃料は山に取りに行っていました。風呂も順番に沸かし隣近所に入りに行っていました。葬式も花は山に取りに行き、隣近所の協力で恙なく執り行えました。相互扶助の強い絆があり、贅沢を望まなければ誰でもが生活はできていました。
こう説明すると皆さんも多分自殺者が多いのは大都会だろうと想像されるでしょう。私もそうでした。ところが予想に反して、大都市に集中しているのではなかったのでした。自殺者の多い順に一位秋田、二位青森、三位岩手、四位山形、富山、宮崎、高知と続いていました。逆に自殺死の少ない地域は、一位神奈川、二位三重、三位徳島、四位香川、奈良、愛知、京都、岡山、東京都続いています。年齢を見ますと、五十才から六十五才と八十五才以上が最高の自殺率になっています。東北地方は全体的に自殺率が高いのです。四国の場合、高知が高く反対に徳島、香川、愛媛は低い地域です。東北地方は全体的に悪いようになっています。
四国は両極に分かれています。瀬戸内海側の徳島県、香川県、愛媛県と四国山脈を背負った太平洋側の高知県です。瀬戸内海側から高知を見ると高い山で分離された遠い国になります。高速道路で行くとトンネルが二十近くもあり、景色はあまり見えません。四千三百二十メートルの我国高速道路最長のトンネルもあります。冬は四国高速道が雪で通行止めになることがあります。高知県の自殺の問題はこの過疎地問題が大きな原因だと思いました。私は毎月四国八十八ヶ所巡拝で四国を一周します。四国にはお遍路さんに飲み物や食べ物等を接待する風習があります。接待すれば自分も幸せになると考えています。特に歩き遍路は大事にします。この接待の心が自殺の少ない原因となっているのではないかと思いますが、高知県では心豊かな接待の心以上に生活環境が厳しいのだと思うのです。
二、非効率な残業を廃止し
利益が出る会社に
厚労省によると、心の病気による労災認定者数は前年度に比べ七十八名の増加で、二〇〇二年度のほぼ二倍になっています。年齢層別では三十歳代が全体の四〇%で、二十歳代を含めると六〇%近くを占めるなど、比較的若い層が仕事の重圧や職場の人間関係に悩んでいる実情がうかがえます。このうち長時間労働が原因と認定された人は三百二十三人で、一か月の平均残業時間は、八十時間以上百時間未満が百十六人と最も多く、百六十時間以上も二十六人いました。長時間労働は一向に改善されておらず、職場はゆとりを失っています。企業は従業員を増やすなどして勤務条件を改善し、国は労働条件の監視を強めるべきだと記事が出ていました。
私はこのような記事が出ることは不思議でなりません。
以前リミット通信に書きましたが、ある公認会計士の方が、会社を倒産させた経営者をみると営業出身の経営者が多く、生産の出身者の倒産は少ないと言われています。残業が多い会社は経営者が営業上がりの社長だと思います。リミットは昔より残業は禁止しています。私は生産現場から経営者になりました。その経験では生産数量を上げるための一時間残業がもたらした結果は定時間の生産時の生産数量と同程度で、さしたる効果はありませんでした。細かい人の作業が主の縫製という仕事は、ベルトコンベアで移動速度を決めて流すことはできません。その人間の体力には限界があり、時間を増やせば生産が増えることにはなりません。それで残業を止めて定時間で電源を切ることにしました。そして定時間でできなかった場合、その原因を徹底追求しました。その結果、終業時間の一時間前になると、社員が遅れを自覚しそれを取り戻すために行動を起こすのです。必然的に機械の音が高くなりました。以後残業は全社的に禁止し、三十年以上になります。残業するのは時間配分が悪く、昼間ノンビリとしているからだと小言を言っています。
更に現状は既にお分かりのように、リミットでは情報システムを駆使して少ない人員で大きな仕事をしています。例えば貿易業務でも一般では五人でする業務を派遣社員一人が定時内でこなします。マニュアル化してコンピュータで自動化しているので間違いがありません。税関から不備を指摘されれば、プログラムを修正します。その後は絶対に同じミスはしません。
残業問題と過労死の問題は今盛んに言われている成果主義の悪い点が大きく影響しているからだと思います。残業をする人は仕事ができない人です。能力がないから長時間残業につながると思います。リミットの場合、残業をしなくてはならない事態になった時、その仕事をコンピュータ化することができないかと考えます。コンピュータはいくら仕事を与えても文句を言わずに正確に仕事をします。残業すれば叱られ個人のノルマは無く、会社のノルマを全員が協力して達成できるよう頑張っています。
リミットの情報システムは一昨年オープン型に再構築しているので修正が簡単です。今年度より情報システムを一段と強化し、経営資料と合理化のために情報システムの主任と各部門長が担当して会社の全ての流れを見直し強化します。
残業はしない、個人の競争はない勤務状態で他社との三十年の差を徐々に縮めながら体質強化をしています。
二〇〇七年八月二十五日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 伸 宏
コメント
コメントを投稿