2006年 7月号

 

 一、理念の具体化のために



 いつも大変お世話になりありがとうございます。

 繊維業界では天候による業績不振が相次いで報じられています。しかしリミットグループとしてはどんな状況下でも、左記の企業理念を実行していれば何も心配する必要はない、と思っております。



  リミットの企業理念

  笑顔、感謝、奉仕の心で

  常に極限(LIMIT)を目指して変革し

  すべての人に喜びと感動を与え続ける



 備後絣の上下衣の下請生産から出発し何度も危機を切り抜け、現在は女子ユニフォームを販売するリミット㈱、高級婦人衣料を販売するリミット通販㈱、情報会社の日中情報システム㈱、日本へ直販を狙う青島伸栄服装有限公司福山支店、中国投資と危機管理をする㈲宏正商事と、その時代にあった先端企業として変化しつつ今日のグループ企業に成長してきました。

 この理念から「笑顔着」ブランドが生まれ商標登録しました。ブランドの意義はリミット企画室チーフのブログを読まれた方はお気づきでしょう。チーフは次のように書いています。

 「女性は服を見るのが好きなのです。試着して『こうかな』と自分自身の姿を眺めては楽しむのです。そんな時、笑顔でない人はいません。そんな楽しそうな姿を、周りで見ている人も笑顔になります。そしてお気に入りの一着に巡り合えたとき・・・そして『いいね、それ』と人に認められた時、その笑顔は最高の笑顔になるのです。」

 リミットグループは、着る人の最高の笑顔のために努力しているのです。「常に極限を目指して変革し」と、リミットはこのことを忘れず、いつも何かを変え続けています。

 リミットの最大の変化は、コンピュータ基幹システムです。二十五年間変革の連続でした。しかしそれでもインターネット上で画像情報をどのような形で提供していくかという今後の課題があります。紙のカタログとインターネットでの画像情報の提供で、両方の特徴の接点を企画室と情報システムが共同で研究し続けます。インターネットは芸術的な感覚センスが必要です。誰でも勉強すればできる分野ではありません。中国青島にある情報会社は基幹システムの系統です。画像システムでは日本のセンスと中国のセンス感覚の違いがあり、中国と提携してできるかどうかは今後の研究課題だと思います。

 「すべての人に喜びと感動を与え続ける」との具体的な意味は、企画室長の言葉からわかります。室長は、「リミット商品は着ていただけば着心地の良さ、動きやすさを感じていただき、絶対にお客様に喜んでいただける自信がある」と言っています。しかしこれは今日まで、最も評価をしていただけなかった点ではないかと思います。その大きな原因は、バブル崩壊以後、商品のクオリティではなく価格のみを購入の動機とする風潮が蔓延したことです。

 最近、価格より品質、と消費者動向がシフトしています。業界紙によれば背広も以前は一万八千円を中心とする売れ筋販売価格帯が四万八千円まで上昇しているようです。「すべての人に喜びと感動を与え続ける」とは価格ではなくクオリティを重視するということです。この意味でもリミットの理念が理解していただける時代が来たと思います。そこでもし、価格で競合しそうになって、販売店がリミット製品を推せんしづらいというような場合のために、業界に直接リミットの情報誌を提供して、リミットの特徴を消費者に直接理解していただくために始めたのが東京情報発信です。



 二、高額商品から始めた意味



 先日東京で、あるフォーマルウエア業界の展示会に出展しました。リミットの最高級ランクの上着は販売価格が三万二千円です。女性からはこんな服が着たいと言われ、経営者からはこんな服を着る時代が来たのか、との言葉が出るような業界に、夢を持たせるような商品を展示しました。東京情報発信を基にして企画の女性が価格を考えず、自分が着たい服を考えて創った結果、その様な服ができたと思います。

 確かに高価格の商品からリリースすると東京や大阪で売れても地方では売れません。高級物から始めて一般的な商品の開発をすると一般的商品の品質基準は高級物と同じ基準になり、消費者もそう判断します。逆に下の商品から上に上がると、必ず基準が下の基準になり消費者もそう理解します。新しい企画には戦略的には前者を採用すべきです。しかし地方で売れないと難しい状況になります。しかしリミットの哲学として、同じ道が二つあるならば、苦しい方の道を選ぶ。その考えを実行して最高級の製品から始めたのです。ユニフォーム業界最後発の会社が大きな夢を持ち絶えず変化し続けたことによって、人に大きな喜びと感動を与える衣料ができたと思っています。



 三、出合いと不安と運命と



 四月に福建省福州に会社設立の件で行った事は以前書きました。夜宴会の時に、アテンドしてくれた知人と私の間に初対面の青年が一人座っていました。たずねると彼は、中国福建師範大学日本語科の四回生で成績は首席だそうです。帰りの車中で専務がその青年と日本のアニメ文化について楽しく話していました。翌日知人に、昨日の青年は日本で情報システムの勉強をするつもりはないかと聞くと、彼は師範大学の法学部長の子息で、親は博士課程に行かせる考えだそうです。

 ところが帰国後メールが来ました。「私はコンピュータには大変興味があります。なぜ情報システムを日本で勉強しないか、と社長は考えたのか理由を教えてください。」と言う内容でした。私からの返信は「これからの時代は時間が経つのを忘れるぐらい好きな仕事をして、お客様から喜ばれてお金をいただく時代です。専務との会話のときにアニメのことを夢中で話していたので、直感的に日本で情報の勉強をさせたら、と思った。」率直に述べておきました。

 その後彼は、大学の夏期休暇を利用して、七月末に十二日間の予定で来日するようになりました。

 直感で行動を起こすことで、お互いの運命も変わります。多分、いくばくかの不安を抱いて来日するでしょう。運命がどのようになるか、誰にでも不安はあり、例え全力を尽くしてもそれは付きまといます。また運命は誰にもわかりません。不安の状態で瞑想し、必ず道が開けると潜在意識に教え、自分の守り神に全託します。そして確信を持って実行し続けるのです。経営者が確信と自信に満ちている姿に、周囲のものは安心してついてきます。最後は道が開けるまで続けるのです。続けている限りでは失敗はありません。



  2006年7月25日

      笑顔着

       リミット株式会社

       代表取締役 有 木 伸 宏 

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