2006年 2月号

 

  一、ネットが変えるビジネスと社会に対応



 いつも大変お世話になりありがとうございます。

 先日本を読んでいると、『リンゴジュースに人参ジュースをミックスして朝に飲み、昼はそばで簡単に食べ、夜は自由な食事の健康法』と出ていました。大変興味をもったのでインターネットで調べ、青森県産リンゴジュースと北海道産人参ジュースを選び出し注文しました。そばは福島県会津若松の製麺所に注文しました。決済はクレジットカードでしました。丁度東北地方の豪雪で交通網は混乱していた時期ですが、翌々日には到着しました。ジュースは箱入りで重さは十二キロ。これを玄関まで運んでくれます。近くのスーパーなら自宅までの運搬が大変です。このように自宅にいながら画面の中のボタンをクリックするだけで、翌日にモノが手元に届くような世界がつい十年前に想像できたでしょうか。また、遠く離れた海外の国々と、時刻も問わずリアルタイムでいとも簡単に素早くメッセージのやり取りができるようになることが想像できたでしょうか。

 インターネットは私たちの生活全体を日進月歩で質的な変化ももたらしました。「一方的にメールを送り、アピールする広告」だったのに対して、現在注目されるリスティング広告では、利用者が興味を持つ分野を集中的に送る機能を獲得しました。例えばGoogleで「トマト」を検索すると、「トマトでつくるレシピ」「○○産フルーツトマト」といった広告が表示されます。

 かつてのダイレクトメールも特定の情報を特定のユーザーの所に送っていたのですが、名簿の作成、その選択から発送まで金銭的にも時間的にも膨大なコストが必要でした。しかし、インターネットでは、双方のコストが劇的に下がります。そこでインターネット広告の研究に遅れてはならないと、日中情報システム㈱には今期は一千万円投資をします。リミット㈱、リミット通販㈱のホームページの機能にその成果が反映されます。是非変化に注目してください。



  二、同族経営方式選択に救われる



 大手の会社は、会社の借入金に対して社長が個人保証はしていません。中小企業の場合は、その大部分が社長の個人保証を必要としています。日本では株式会社百十五万社の内、九十八・三%が中小企業(資本金三億円未満)です。そして有限会社百十八万社を含めると九十九%超が中小企業です。中小企業の社長は会社が倒産した場合、全ての財産は債務保証によって全財産を失います。  

 リミットの経営は、同族経営方式を取り入れております。同族経営方式は、経営者一族ができるだけ多く給料を取り、最低の生活費以外は全て会社に貸付けます。資本金を増やすには二通りの方法があります。法人税を払って利益を内部留保する方法と、個人が所得税を払って会社に貸付金にする方法です。リミットは個人が所得税を払って会社に貸す方法をとっています。個人が資産をつくり、保証能力を上げ、会社を安定させる方法です。どちらの方法をとっても、中小企業は倒産したとき、個人は無一文になります。

 ところがリミットの場合、この同族経営が大変有効に作用しています。リミットの決算は一月です。決算月に役員が他界し、四千万円の保険金が会社に入りました。その処理は次のようにしました。

 約半分は役員退職金として支払い、その全額を会社への貸付金にしました。そのままでは、残り二千万円が会社の所得となり約四十%の課税があります。しかし、以前リミット通信に掲載した日中情報システム㈱に発注した情報システムの再構築費六千万円の内、残っている約二千万円の未払金に充当することとしました。今期支払うと赤字になるので来期の二月に払うことにしていましたが、予定を変更してそれを今期の一月に払うことができました。特別償却で五十%償却し、一千万資産で残ります。残り一千万円償却を考えなくてはなりません。しかしこれもリミット通販㈱が高級葬祭制服リフィンを販売する時、研究開発した製品が約一千二百万円あったものを償却し、その結果、四千万円の利益がなくなり、四千万円の現金が全て会社に残りました。

 突然四千万円の現金が決算月に入った場合、償却処理することは常識ではできません。私の守り神が二年前から準備をさせていたのです。リミット通販㈱、日中情報システム㈱の問題点が全て解決しました。これからのスタートに、元気よくスタートさせてくれたことを、守り神に感謝しています。



  三、ペットブームが語りかける

       社会の衰退=教育とは?




 今年は戌年だからでしょうか、犬と散歩している人を多く見かけます。増えた飼い主は、未婚の単身者と高齢者だといいます。仕事や家の事情で飼えない人に、二十分単位でアイドル犬を貸し出すレンタル業も大盛況のようです。未曽有のブームは、孤独の癒しを求める人々の存在が一つの原因です。日本で飼われている犬は千二百五十万匹。八十年代からほぼ倍増し、小学生以下の子供の数とほぼ同数です。人間が減る一方で、犬が増え続けています。一匹にかかる費用は年に十二万円といわれています。市場は一兆五千億円に上ります。この数字を豊かさの象徴と見るか、社会の衰えの兆候と読むべきか。このことは大きな社会問題だと思います。現役を退いた高齢者が、心の癒しで犬を飼うのは良いことだと思います。

 しかし問題も多いと思います。最近、子供が常識では考えられないような事件を起こしています。その根底には親の愛情に飢えた子供の姿があるといわれています。親が子供に与える愛情を犬に与えているような行動が、子供への愛情不足を起こしていると思います。親が二十四時間、子供に愛情を与え続けなければならない時に犬と散歩している姿は、社会の衰えの兆候と考えるべきだと思います。人間の大きな幸せのひとつは、子供を産み、そして子供を育てることです。子供を育てることに全力投球していれば、犬を飼う精神的余裕はありません。子供を育てるのは親の責任です。

 私は息子が仕事につくとき、他社に預けて「修行」させませんでした。親が子どもの成長のために全力で努力しなくては、他人は努力してくれません。恩義を意識した昔の会社と今の会社は違います。悔いが残ることはしたくない、と全力を尽くし会社で育てました。同様に、中国の生産会社の責任者夫婦、そして中国のシステム情報会社の責任者夫婦四人を日本で育てました。その結果として、日本語のメールのやり取りだけで全て順調に流れる会社になりました。日本で育てる苦しい道を選んだ結果です。日本から行くことはありません。中国との提携は安心で、大変幸せに思っています。



  2006年1月25日



笑顔着

       リミット株式会社

       代表取締役 有 木 伸 宏 

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