2004年 1月号

 

 1、新年に際して

 

 いつも大変お世話になりありがとうございます。

 今年もよろしくお願い申し上げます。

 平成13年から14年は売上減が続き業績が厳しく、それを乗り切るための根本的な対策を実行しました。続く15年は激しく経営環境を変化させた後始末をした年でした。ようやく平成16年は平穏な幕開けを迎えることができました。このリミット通信を読み返すとこの3年間は決断即実行、真剣勝負の連続のあとが読めるでしょう。結果として、「大変でした」の一言で過去のこととして総てを済ませることができるようになりました。いよいよ新しい時代のスタートです。1月4日、リミットの新年互例会において今年の方針を話したことを書きます。

 

 2、よりオープンな必次世代システムへ

 

 リミットのコンピューターシステムは25年前からのシステムを全て継承しています。継承継続はNECが供給するシステムの大きな特徴でした。そのためオフコン、端末ともに全てNEC製品を使用してきました。他方、3年ぐらい前より大手企業ではオフィスコンピュータシステムでの行き詰まりの記事が本に出てくるようになっています。理由は、大型コンピューターやオフコンの場合、ソースシステム(ブラックボックス)があるからです。これはシステムを作った情報会社、というよりその担当者しか解りません。担当者が辞め、作った情報会社の変化でソースシステムが解らなくなり不具合が解決できないのです。これでは将来発生する問題に対応はできません。問題が起こってからでは遅すぎるのです。特にリミットの場合、少ない人員で大きな仕事を目標にし、判断業務以外は全作業をコンピューターで自動化しています。止まったコンピューターの代わりを人がすることはできないのです。そうなれば仕事が全てストップしてしまいます。

 そこで来るべき新しい情報化時代を想定すると次世代はオープン系の情報システムで再構築することが将来有利と考えました。これにはブラックボックスはありません。仕事がストップする危険は無くなります。その上安価なハードで構築、拡張ができます。ただしハードのフリーズを前提にしてバックアップを絶えず取る仕組みになります。幸いに4年前情報投資のリースが今年来年で大きく償却します。資金は大丈夫です。オープン系に再構築してこれからのインターネットビジネス時代に対応し、発展に努力する方がメリットは大きいと思います。リミット㈱、日中情報システム㈱、そして情報会社とプロジェクトを組んで2年目標で再構築します。日中情報システム㈱はこれからの情報時代に備えシステムを中国で作るために5年前に設立しました。育てた結果はこれから出ます。リミットの再構築ができると中国工場とネットを利用して緊密な連携ができると思っています。

 

 3、採用における新しい変化

 

 今年のもうひとつの目標を話したいと思います。かつて新市のメーカー各社は寄宿舎を作り、町には若い人が溢れていました。いまでは年寄りのみとなり、生産は中国に移っています。

 私は生産で人材に苦労した経験があります。しかし息子の専務はそんな経験はありません。恐れを知らず、去年専務が縫製職で高卒の募集をしました。私は縫製に来るものかと思っていました。それが入社試験をして結果的に3名採用しました。私はこのような時が来るとは思っていましたが、今直ちに採用まで至るとは思っていませんでした。私もいつの間にか昔人間になったのです。過去の経験がマイナスになって、新しい時代が来ていることを実感することができなかったのです。時代はよどみなく変わっています。過去の経験が役に立たないことが多く起きています。そこで今年は生産の強化を目標に、新市の工場ではなく、本社日本生命ビルの総合研究所で縫製の勉強をさせる事を発表しました。

 

 4、青島新工場と総経理夫妻の健康

 

 昨年12月に青島の新工場の建築現場に行きました。今までの工場から車で3分のところで、4車線の道路に面する土地10,000平方メートル、総建築面積5,000平方メートル、鉄筋建築です。事務所は3階建て、工場は平屋、寄宿舎は2階建て、その規模の大きさにびっくりしました。リミットの負担金は、冷暖房設備、環境基準を合格した石炭ボイラー、その他付帯設備と諸経費で14万ドルです。新しい工場の環境はこれまでの改築による古い工場は比べ物にならない環境のよさです。広さも十分あり、中国に在庫を積んで5月初め、9月初めの繁忙期に一斉に送る事もでき、配送センターの在庫整理が楽になると思います。中国では今後、農民保護の問題で農地の転用ができなくなると聞きました。大変運がよかったと思います。

 

 5、為替変動と企業防衛

 

 現在円高が続いています。そのために一段と販売価格が下がっているのではないかと思います。大方の共通の意見は円高です。米国は対外債務が多く、日本は対外債務が少ないので国民の貯金1,000兆円を所得税として全部取り上げれば(預金封鎖)問題ありません。米国は対外赤字が殆どですので、外国のカネを略奪しなくてはなりません。日本政府は来期、国家予算より大きい140兆円で円高介入するようです。そのカネは米国に行き、財政赤字を補填します。小泉さんは米国と心中するつもりのようです。ローカル通貨の円が世界の基軸通貨のドルを助けているのです。日本が米国財政の首を握るか、米国が日本のカネを略奪するのか。略奪の場合猛烈な円高にして日本が持っている米国の資産価値を落とします。

 円高で業績が悪くなるのは間違いで、過去の円高は好調で、それで2004、5年は超円高大好況と云っている人もいます。以上評論家の意見をまとめてみました。この様に何が起きるか解らないときです。勉強して会社、個人資産は自分で守らなくてはなりません。私も色々と行動を起こしています。そして勉強不足で失敗もしました。私は全て現物引取ですので、大きな失敗はありません。今は大変面白いと思っています。逆転の発想から考えると、変化が激しいので絶好のチャンスが来たと思います。

 

 2004年1月25日

 

   笑顔着

   リミット株式会社

   代表取締役 有 木 伸 宏


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