2003年 3月号
1、常に変化を求めて生き残りへ
いつも大変お世話になりありがとうございます。
3月の売上は昨年比少し落ちています。売上が伸びる条件は少なく、今の状況ではますます経済の混乱が深まると思います。業績が回復した、と新聞に出ているのは売上が増えたからではなく、リストラの結果です。
最近福山でも創業50年以上の老舗の倒産が相次いでいます。倒産の理由は投資の失敗などではなく、何となく売上が減って倒産するケースが増えています。企業は量を追うか高品質のどちらか、または両方で成長しないと死んでしまいます。だからリーダーは絶えず自ら変化を作り出して行かなくてはなりません。創造的、建設的でなくなってしまったら企業は衰退します。重大な問題に直面したとき、失敗するかもしれないけれど果敢に重大な問題に取り組み、社員の危機感を高めながら積極的に問題解決をしていけばやがて道が見えてくると思っています。
2、企業消失化時代の同族経営
日本の企業の90数パーセントは同族経営会社です。しかし多くの会社がその認識をもっていません。「同族企業は、社長の個人財産を貯め込んでいる。けしからん企業である」という考え方もあります。果たしてそうでしょうか。中小企業が借入れをする場合、代表者は連帯保証を要求されます。連帯保証は何の反論(抗弁権)も認められずに、債務の弁済をしなければなりません。そして連帯保証は1代限りのものではなくて、相続しなければなりません。にもかかわらず、多くの経営者が会社と個人は別と考えているのではないかと思います。代表者の資産が無い場合は、第3者の保証人を要求されるのです。
同族経営方式では個人の貸付金を資本金と見ます。リミットの場合、銀行も政府系金融機関も個人貸付金を資本金と考えて融資していただいています。
会社を私物化して税金を誤魔化す努力をするのは論外です。リミットは前回も前々回も税務調査で問題を指摘されていません。輸入関税も神戸税関の第1回調査では勉強不足で追加の課税がありましたが、以後はゼロです。節税はしても、不正な経理はしてはいけません。
これから本格的に企業消失時代にはいります。会社と個人は別だとの考え方を捨てて、今こそ会社と個人が一体となって同族経営に撤して勝ち残らなくてはなりません。リミットは5年前に同族経営方式に移行し、全てのリスクを家族が背負い、強硬な勝ち残り戦略を実行しています。
3、品質、サービスの質を維持とコスト削減
今年の売上予測は横バイか、10パーセントダウンの予測をしています。新聞によれば一部の企業はリストラによりV字回復と出ていました。企業は回復しても働く人は少なくなります。しかし、社会主義も資本主義も全て行き詰まり、全くはじめから新しい社会の芽が育てられ新しい心、考え方の時代が来るのではないかと思っています。その新しい時代を生み出すために今、大変な苦しみを経験しているのです。
売上が増える要素が無ければ、現時点の売上で赤字を起こさない体制を作らなくてはなりません。一番大きい経費は人件費です。しかも商品の品質は落とさず、そしてお客に対して情報の質を落としてはなりません。必要なときに必要な商品を提供することも大事です。会社全体のレベル、信用を落とさず人件費を落とすことは大変です。私が23年間コンピュータシステムに大変な資金と時間を投入してきたことがいま報われています。高品質の商品とサービスを提供しつつ経費は削減できています。
一昨年の10月のリミット通信に、私は「家内工業まで後退しても生き残ることを考える」と書いたのですが、極端すぎるとの意見で「家内工業」の2文字は削除されました。私は家内工業のような少ない人員で人とコンピュータの組み合わせで大きな仕事ができると思っていました。繁忙期に社員が不足すれば派遣社員で充分できるようなシステムにしています。パソコンの初期時代から誰でもできるコンピュータを目指して努力してきました。人の判断力とコンピュータの正確な仕事の接点を求め続けました。社員が少なくなればなるほどリミットのコンピュータシステムの凄さが目立ってきます。迷わず突き進むようにリードしてくれた神仏に感謝しています。
4、総経理との約束果たし情報ビジネスへ
今年は日中情報システム㈱とリミット通販㈱が本格的に稼働します。日中情報システム㈱は情報会社の下請けで中国でソフトを作り、人件費の安さを利用して稼ぎます。そして徐々に勉強して強い会社にしたいと思っています。何事も最初から強い会社はありません。最初は決意をする、そして実行。絶えず上を目指す。後は歴史と共に結果が見えてきます。スタートして4年間の赤字は個人が貸しています。大連外語大学英文科を卒業して日本で勉強した総経理の息子夫婦が、4月に青島に帰ります。息子は情報システム、嫁はビジネス専門学校を3月に卒業して日商簿記2級を取り、中国で会計士を目指して勉強します。昨年3月に日本の大学を卒業した総経理の娘は、日本の大学で知り合った台湾の学生と結婚して青島に帰り、青島伸栄服装公司に入りました。何事も資金余裕がある時に養成しないと現在の様な大変な経済状況では養成できません。6年前、総経理に約束した子供の日本での教育は全て果たしました。
リミット通販㈱は現在リミット㈱が販売店を通して販売している商品とは別分野の商品を販売するので販売店と競合することはありません。インターネットビジネスの将来がどのようになるか勉強したいと思っています。社員は1人でリミットの仕事も兼務しています。販売、生産、財務、流通全てリミットのコンピュータが自動で処理していますので事務管理はありません。販売商品、販売方法の模索期間が5年かかり、その間赤字でしたが現在は黒字になっています。
2003年3月25日
笑顔着
リミット株式会社
代表取締役 有 木 伸 宏
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