2002年 10月号
1、圧倒的在庫圧縮と手形廃止を実現
いつも大変お世話になりありがとうございます。
急激に売上げが落ち始めて9月で丸1年、ようやく昨年比横バイとなったのがこの9月・10月です。リミットは注文以外の商品は送っていませんので、昨年比で横バイになったことは正確なデータだと思っています。これで底が見えたのではないかと思います。今まで毎月売上げが落ちるので不安に思いながら、今年の9月、10月を大変注目していました。私は昨年9月に平成4年のピーク時と比較して、半滅もありうると予測して行動してきました。この1年は精神的に大変な闘争でした。
去る7月1日、生き残れるか倒産するかにかける最後の行動を非常事態宣言として明らかにしました。それは大変な痛みをともない精神的になかなか行動が起こせない部門も整理しました。「非常事態だから」と自分に言い聞かせながら8月には全ての命令を下しました。売上げが落ちる中、在庫はシミュレーション通り30パーセント落とすことができました。また7月には、売上げが落ちる中で手形残高がゼロになりました。金融機関の協力と在庫減少分が現金に変わったから、手形廃止ができたと思います。
2、落ち着いた態度が事態を好転
この事態は、平成4年の最高の売上げから25パーセント落とした経験と似たところがあります。ただその時はこの度のように急激ではなく、平成5年から7年までの3年間でのことです。それでも私自身が精神的に死に物狂いでした。人員整理から工場休業。最悪のことを考えて商社に支援要請もしました。在庫は18ヶ月で45パーセント落とし、結果的には商社の支援は不要でした。荒治療でリミットは倒産するとの噂がでました。しかしこの度はそのような噂にはならなかったと思います。
それはなぜかと考えてみると、私の態度にあると思います。平成5年の場合、気持ちが表にでて、必死の形相だったのです。このようなときこそ、自信満々の顔をしていなければならないのに、顔と心のままだったのです。在庫を落とせば商社の支援は必要ないのに先に要請していたのです。倒産することを前提にして行動していたら、顔が倒産する様な顔になり取引先は逃げ始めます。これでは、助かるものも倒産の道に転落します。前回は私が方針を出し、私が表に立ち、陣頭指揮で行動したので、不安げな私の顔で、倒産の噂がでたと思います。
この度は会社の組織も前回の時より強くなっています。前回は資料を作るのも自分で作らなくてはなりませんでした。今は欲しい資料は全部家から社内ランで情報がとれるようになっています。私が考えたことを指図すれば全部役員が行動をしてくれます。1社ずつ手形を現金にした手形の件でも直接手を下してはいません。専務がこれ以上は無理ではないかと相談に来ても、進んでみなさいと言うだけで何もしませんでした。銀行にも行きませんでした。会社の状況そして対策は全てこのリミット通信に書いています。私が金融機関に毎月営業報告を出しているのと同じです。そして方針を書いて結果を出していれば、取引金融機関には全て理解していただいていると私は思っています。
情報を正確に提供し、今後の方針を説明してその結果を報告していれば、貸し渋りは起きないと思います。リミットは大きな借金があっても貸し渋りを感じたことはありません。そして日中情報システム㈱というインターネットビジネス会社も、2年かけて育てました。来年は利益が出ると思います。私個人は2年間、月に10日は四国に行き10月で四国八十八カ所、25回巡礼を達成しました。平成5年の時とは真反対の行動をしています。これも苦労した経験の結果だと思います。
3、商標再登録と100年企業へ
25年前にリミットの商標を登録しました。そして10年経つと再登録をするために再度手続きをしなければなりません。その当時、あまり商標にこだわっていませんでしたので再登録しませんでした。その後必要性を感じて再登録申請を出したらすでに他社が取っていました。商標を失ったことで、今後の対策をどのようにするか大変悩んでいました。10月初めに専務より、100年企業をめざして行動を起こすために企業理念を明文化して欲しいと言われて本当に困りました。なぜ今まで出せなかったのか、私の大きな商標の失敗を専務に話しました。専務がすぐ調べたところ、再登録の可能性があると分かり正式に申請を出しました。商標登録が再度取得できたのです。商標を失って15年、再びリミットの商標が帰ってきたのです。最近私は計算では理解できないよいことが次ぎ次ぎと起きます。人間の知識では解決つかないことが解決します。大変運がついています。早速100年企業をめざして1回目のブランド戦略試案を作り検討を始めました。
資料:企業理念
「笑顔・感謝・奉仕の心で、常に極限(LIMIT)を目指して変革し、全ての人と共に明るい社会づくりに貢献します。」
ブランドの位置づけ
企業ブランド LIMIT コンセプト 「笑顔着」
総合ユニフォーム my limit コンセプト 「ステキに働く女性のために」
オフィスユニフォーム NEW OFFICE コンセプト 「私らしく輝いて」
ビルメンユニフォーム JOMM JOMM コンセプト 「一緒に創って、楽しくjob」
以上の企業理念と企業ブランドで、現在のリミットのイメージと一致するように感じていただけるでしょうか?今後イメージが一致するようにがんばらなくてはと思っています。具体的な方針として商品は売るのではなく、お客様から求められる商品を開発することを基本にリミット総合研究所は努力します。
2002年10月25日
素敵に働く女性のためのワークウエア
リミット株式会社
代表取締役 有 木 伸 宏
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