2002年 7月号
1、非常事態宣言、最後の陣頭指揮へ
いつも大変お世話になりありがとうございます。
7月1日リミットは非常事態宣言を行いました。
昨年9月、私は役員に「ユニフォームを買えば会社に利益が出るなら買うけれど、経費が増えるので買わない努力をする。ということは全滅も考えられるので、そのような状況で50パーセントの売上げができたら最高だ。」と話していました。そして「リミットは下請けではないので受注がゼロになることはない。赤字にならないように規模を縮小すればよい。」とも述べました。この非常事態宣言をしたのは最悪のシナリオで事態が推移すると強く感じたからです。私は、即行動を起しました。マイナスをプラスにする発想で全てを壊して新しい体制をつくる絶好のチャンスです。繊維業界のあらゆる流れを壊してこれからの時代にあった新しい流れを作らなくてはなりません。新しく生まれ変わるときが来たのです。
7月1日から私の人生で最後の陣頭指揮で過激な行動を起して、若い世代の体制づくりを始動させています。
2、非常事態を感謝する
リミットは一般取引から見ると非常識の行動が多くあり、過去20年間販売店から多くの非難を私は受けてきました。
私自身は、素材メーカーから商社へ、そしてアパレル販売店へという流れの取引形態に不満を持ち続けました。そして素直に行動を起して、不満の流れを破壊する努力をしましたが、なかなか前に進みませんでした。先日素材メーカー自身が製品を作り販売すると報道されました。それまで顧客だったアパレルメーカーと直接競争するのです。無茶を言うユニフォームメーカーには素材を売らなくなります。
私が予言した時代が来たのです。対抗策は素材メーカーにはできない多品種少量生産体制だと言い続け、20年間努力してきました。リミットの製品は90パーセントが海外生産で受注日出荷93パーセントを誇っています。
そして素材メーカーにはお互いに利益になる方法で直接納入の要請を続けてきました。現在は形式的には商社を通していますが、実態は素材メーカーとの直接取引です。
今私は必ず素材メーカーが直接販売をするときが来ると確信を持っています。そのために手形取引を止めて現金支払いに切り替えました。商いは全て現金取引の時代が来ます。全ての事業は存在価値にマージンを支払います。存在価値がなくなれば自然に消えて行きます。私は難しい理論ではなく物事を素直に考えて行動を起します。これからの時代は大が必ずしも強くありません。小の方が強い場合もあります。時代に合った体制に変化することが簡単にできます。
20年間非常識な行動をして努力してきたリミットが非常事態宣言を出すのは大変なことです。戦後50年間で最大の混乱期を迎え、それに対処できる体制作りに20年間非常識な行動をしてきたのは守り神の指図だと思います。人間の知恵では迷いも起きて行動できません。この大混乱期を迎えて守り神に感謝しています。
3、心の時代は日本から
7月5日青島に行きました。飛行機は福岡発青島経由西安行きです。日中情報システムの社員は青島で降り、私はそのまま西安に行きました。青島からは総経理の娘が同行してくれました。西安行きの目的は弘法大師が最初に修行された青龍寺参拝です。私は四国八十八カ所の巡拝を続け、今月で24回が終わります。私の目標は25回、できれば50回巡拝することです。しかし年をとると自動車の運転も無理になります。おそらく不可能になるでしょう。
25回目の巡拝は涼しくなってと思っていますが、私は一日を大事にすることを哲学にしています。人間の命は解りません。計算外のことも起きることがあります。目標の25回の目前で達成できなくなることもあります。そのことを考えると8月の一番暑いときに回らなくてはなりません。考えてみると寒い冬にする寒行があります。反対に暑いときにする暑行も有るのではないかと思います。このように考えながら青龍寺に参りました。
青龍寺には案内人がおり、正式な僧侶はおられませんでした。お寺の整備は日本の高野山関係からの寄付でまかなわれたようです。かっては中国には日本が手本にする多くの教えがあったけれど、今はその教えは日本に残り中国にはありません。
日本で予約する時に土産物店には行かないと言っていたのに漢方の研究所につれて行かれました。マッサージは無料と言いながら薬を買わせます。中国人は守銭奴になり、共産党の役人がパトカー先導で猛スピードで通り過ぎて、民衆を人間扱いせず追い散らかす感じです。日本では八十八ヶ所巡拝は大変なブームで、私も7月19日、20日に足摺岬方面を回りました。暑い中、遠方より大勢の参拝者が来ておられました。日本はバブルの崩壊以降、心の時代に入ったのです。世界がこの度の激震で崩壊して、日本が心で世界をリードする時が来ると感じています。
4、減資と連結決算で健全経営
この度リミットは資本金7,700万円を5,000万円に減資することにいたしました。一般的には減資は会社の内容が悪くなって第3者資本を入れるためにしますが、リミットの場合は違います。
私はこれまで大きな夢を持って資本金を増やす努力をしてきました。4年前に同族経営方式の本を読んで感じることがあり、行動を起しました。資本金も同族にするために他人資本は買い取りました。法人税の50パーセント以下の個人所得税になるように考えて家族が最大限に給料を取り生活費以外は会社に貸付金にしました。正当な節税策を考えて実行しました。最近連結決算の本を読みました。リミット(株)には大阪リミット(株)、日中情報システム(株)、(株)夢リミット、(有)伸栄、(有)リミット出雲が子会社としてあります。各子会社の資本金は5,000万円以下です。リミットは資本金5,000万円以上ですので交際費が認められません。連結決算にすれば親会社に合わせて全ての関連会社が交際費ゼロになります。同族経営方式は正当な節税を第一にしています。リミット(株)が減資して資本金を5,000万円にすれば親会社子会社全てに交際費が認められます。それで減資することに決めました。減資した資本金2,700万円は資本準備金に入れますので資金繰りには影響ありませんし、所得税の関係も起きません。但し一株の評価額は上がります。今年より約100万円程度節税できます。こんな事も「小」だからだから簡単にできるのです。
2002年7月25日
素敵に働く女性のためのワークウエア
リミット株式会社
代表取締役 有 木 伸 宏
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